経済学部への誘い

経済学部長 石井 健

経済学部長石井 健

北海学園大学経済学部は、1950年創設の北海短期大学経済科を母体とし、1952年に発足しました。4年制としては道内初の経済学部でした。翌1953年には2部経済学科を開設し、昼間働きながら学びたい人びとにも門戸を開いてきました。以来、社会のさまざまな分野で活躍する数多くの卒業生を送り出しています。

経済学部は、グローバル化する国際的な経済環境の中で、経済や社会の現状を的確に認識し、変化に対応できる幅広い知識と能力、柔軟な感性を有する人を育てることを目指しています。そのために、現行のカリキュラムでは経済学科・地域経済学科それぞれに4コース、全8コースを設け、コース科目を学ぶことで各自の問題関心や研究テーマを深めながら必要な力が身につくように設計されています。

現代は、世界中の人々の生活が資本主義的市場経済の枠内で営まれています。資本主義は技術革新を通じた効率的な資源の利用により飛躍的な経済成長をもたらしましたが、同時に富の偏在と窮乏化をともなうものでした。市場経済は、市場を通じた資源の効率的配分には有効ですが、市場の外部にある社会の諸活動や自然環境には無力であるばかりか時に有害でさえあります。少子高齢化や人口減少、過疎化と大都市集中、婚姻形態と家族形成、育児、教育格差、老後生活と年金、医療介護、公害や気候危機等々、現代社会をとりまく諸課題はもはや待ったなしの状態です。

学生の皆さんには、学部教育を通じて身につけた科学的知識と力を駆使し、こうした諸課題に取り組み、次の時代を創り出すような人となることを切に願います。そのための第一歩を私たちとともに踏み出しましょう。