学部の取組み

地理情報システム(GIS)論


※札幌市中央区市電沿線地価の面的表示
(ArcGISで作成)

現在、社会の様々な分野で地理情報システム(GIS)の活用が飛躍的に進んでいます。北海学園大学ではこのGISのソフトウェアが用意されており、2017年度からこれを用いた講義「地理情報システム論」が開講されました。 GISでは、世界や日本各地の経済・社会の実態を地図に落とし込んで、その場所の経済・社会の面的な理解や相互比較を容易に行うことができます。また、高度な解析機能も備えており、様々な問題に対する具体的方策を示すこともできます。学術分野だけではなく様々なビジネスの現場でも活用が進んでおり、社会人となってからも役立つでしょう。皆さんが日々、目にする地図の多くもGISを用いて作成されています。是非、経済学部でGISの世界に触れてみてください。

目標
  • GISの概念を理解できる。
  • GISがどのように社会問題や経済問題の解決に活用されていることを理解できる。
  • GISの基本操作ができる。
  • 課題設定に応じて利用すべきGISの機能を理解できる。
  • 行政やビジネスの現場などの実社会での利用に応用できるようになる。
ソフトウエア

北海学園大学では、世界的に大きなシェアを有するESRI社のArcGISを導入しています。
●本学のGIS教育・研究の取り組みが「地域に根差した地域創生のための人材育成/研究推進」として、 ESRIジャパン株式会社のArcGIS事例集(ウェブ版)で紹介されました。

ギャラリー学生が作成した魅力的な地図のいくつかを紹介

病院から5km、診療所から1kmの
円を描画(板谷侑生)

外国人技能実習生の分布
(今野 友輝)

川崎市武蔵小杉駅周辺の人口分布と
鉄道路線(谷口明華里)

身につくGIS技術受講生が授業の魅力を紹介

多くの教員のサポートが魅力的

板谷 侑生(1部経済学科)

授業は、実習形式でGISを扱うための技能を学ぶことのできる授業でした。他の講義と違い、教員が沢山おり、また生徒に混ざり学びに来ている教員も散見されました。教員が多いので堅苦しい雰囲気なのかなと思うかもしれませんが、学生と教員の距離が近く、また学生同士でわからないところをフォローしながら講義についていくことができたので非常に新鮮で居心地よかったです。最後の講義で身に着けた技能を使っての報告があり、講評をもらえる点も、技能習得には重要な点であったと思います。

多様な事象分析の強力ツール

今野 友輝(1部地域経済学科)

私自身、コンピュータに関した分野に触れる機会がこれまで全くなく、好奇心からこの講義を受講するに至りました。GISは地理空間の状況から諸地域の社会・経済の多様な事象を詳細に分析することができ、それまで調査は文献ばかりに依存していた私にとっては新しい地域へのアプローチの道が開かれる良いきっかけとなりました。現在はいっそうこの手法に磨きをかけており、自身が追求する分野への活用のあり方について模索しています。

段階的にGISを学ぶことができました

谷口 明華里(1部地域経済学科)

私はゼミナールの先生がGISの話をしていたことがきっかけで、興味を持ち、授業選択をしました。全授業を終えて、GISの面白いところは、地図の中に情報を落とし込むことで、伝えたい情報を可視化しやすくなることであると思いました。GISは難しいというイメージで授業を受けていましたが、しっかりと手順を追って学ぶことで、最初は基本操作も分からなかった私も楽しく操作することができました。最終回での各自からのプレゼンテーションも、それぞれの目線でテーマが決められており、GISの使い方も様々で興味深かったです。私は今回学んだGISの知識を、在学中のプレゼンテーションの場面で使えようにもう少し勉強をしたいと思います。

GIS講演会GISの専門家の方々にご講演いただきました

GISの活用方法とその社会的・経済的意義(2017年4月14日)

ESRIジャパン株式会社札幌オフィス  福田 潤 氏

今年から開講された特別講義(地理情報システム論)では、地理情報システム(GIS)を実社会の様々な課題解決に用いる能力を養うことを一つの目的としています。今回、広範な領域におけるGISソフトの活用事例に精通しているESRIジャパンの福田氏をお招きして、GISが様々な社会・経済的課題の解決にどのように役立っているのか、講演していただきました。例えば、地方財政難や超高齢社会の下で、効率的な地域医療の展開が各地で課題となっていることに対し、救急搬送の体系や、人々が医療機関に対して持つアクセシビリティをGISによって明確化した和歌山県の事例、熊本地震での被災状況をGISで処理することで的確に情報を管理し、さらにその情報を県内外で共有して迅速な支援体制を構築した事例などが報告されました。GISは、地理情報を可視化するのみならず、空間的な分析手法を用いて課題解決に活用できることがわかり、貴重な機会となりました。

環境分野におけるGIS活用〜地理情報の把握今昔、30年の歩み〜(2017年7月25日)

NPO法人EnVision環境保全事務所 後藤 達彦 氏

経済学部では環境問題に関係する研究を行っている教員や学生も少なくありません。自然環境に関する知見が必要となる場面もあります。GISは自然環境の問題把握や解決手法の提案にも効果的です。この点から、自然環境保全NPOの後藤達彦氏に講演をしていただきました。近年、様々な要因からシカやクマといった野生動物の生態把握、個体管理が課題となっています。そのためには、それらの動物が好む自然環境を把握する必要があります。GISを用いて、地図上に出没ポイントを記録し、それに傾斜や斜面の向きなどの自然環境特性を重ね合わせると瞬時にその傾向を把握することができます。後藤氏は長年この問題に取り組んできましたが、かつては手作業(紙地図の利用)であり、相当苦労されたそうです。この経験を元に、当時との違いやGISが問題把握・解決にとって必要不可欠なものである、ということを教えてくれました。